第6章(前編): 円
2012年12月05日 13:43

異世界より来たる東方の姿の男女
男を 「天道」、 女を 「ほへも」 といった・・

平八郎はイリア大陸に・・・
ほへもはウルラ大陸に・・・

平八郎は、キーワードの
「エルドラド」 をあてに・・ほへもを捜した
しかし・・・捜索は困難を極めた・・
エルドラドは神話とされ語り継がれていた故に・・
そんなある日、こんな現実のような夢を見た・・
そこは一面真白い世界・・
その中で大きな羽がある女性のシルエットが現れこう言った・・

天道・・仲間を集いエルドラドを救い給へ・・救い給へ
夢にしては現実味がありすぎる出来事・・
心に熱いものを感じ平八郎は起きた・・
ふと・・手を見ると地図らしきものを握っている・・
不審に感じながらも地図の指す場所へ・・
そこにあったのは、大きな洞穴・・
異様な雰囲気の中、平八郎は進んだ・・
しかし、中には壁画が描かれた門のようなものがあるだけ・・
その壁画には夢で出てきた大きな羽がある女性の姿が・・・・・
それを見た平八郎は内から溢れんばかりの使命感が湧いた

天道: わしがこの世界に呼ばれた理由がここにあったのだ!!
聞いておるか!羽のおなごよ!
天道平八郎ここに誓う!
必ずや仲間を集い、また馳せ参じようぞ!
それから平八郎は仲間を集うのに躍起になった・・
もちろん、そうしていればまたいつか 「ほへも」 に会えると信じて・・


そのほへもは、エリンに飛ばされた直後に山賊に遭遇していた・・

りをか: 大人しく金目の物を置いていきなっ!

ほへも: 無礼なっ!私を誰だと思っている!
色葉 奥山 を父に持つ!
色葉 ほへも なるぞ!
後悔してもしらぬぞ・・・
りをか: へんっ、あんたが誰とか興味はないのさ・・

お前達!やっちまいなっ!
子分達: YES!!お頭!
ほへも: しょうがありません・・・
身の内に宿る幻獣よ・・・
その姿をあらわしなさいっ!!!
りをか: なっ・・・なに!!!?

ボワンッ!!!!
ほへも: さあっ!
・・・ってw あ・・・あなたじゃないわww
もっ・・もう一度・・・・・
りをか
子分達: ・・・・・えっ!?・・・・・・・・???
ほへも: 身の内に宿る幻獣よ・・・・
・・その姿をあらわしなさい!!!

ガオーン!!!
オヨビデスカ・・・ホヘモサマ・・・・
オオ・・ウマソウナ・・ヤツラガ・・・

子分達: ぎゃあああ魔物ーーー!!!!!!

りをか: あっ・・あんたっ!・・いったい何者なんだいっ!!??

ほへも: だから言ったじゃありませんか・・
後悔しても知らぬと・・・・・・・

山賊達は降参しました・・
山賊の女頭 「りをか」 は 「ほへも」 の神々しさに触れ、

りをか: どうか子分にして下さいっ!!!
っと、願いました・・
しかしほへもは・・

ほへも: 子分など必要ありません・・・
私はこの場所が何処か知りたいだけです・・
ほへもに心底惚れてしまったりをかは
ほへもを山賊の頭として迎えようとします
ほへも: 元の世界に戻る方法わかるまでなら・・
そして・・盗み略奪はご法度としますが、よろしいか?
エリン最大の山賊が、
一夜にして義賊として生まれ変わった瞬間でした・・

・・・・それから元の場所に戻る方法も見つからず、
私腹を肥やす者達を懲らしめ、
困ってる人々を助ける毎日を過ごしていました・・
そんなある日・・・
一人の大きな男が訪ねてきました・・

そう、平八郎です。
平八郎は、仲間を集める中こんな噂を聞き、やってきました・・
「いろはという義賊があって、困ってる人達を助けてる」
と・・・
ここに来てやっと会えた元の世界を知るもの同士・・・

涙の再開でした・・・
天道の集めた仲間と色葉義賊は合流し、一つになりました・・
皆共に信頼し合い、共に生活を始め・・

街が出来、富が生まれ・・・
そしていつの頃からか・・・
その集合体を、
「エルドラル」
と呼ぶようになりました・・

平八郎とほへもにも 愛 が生まれ夫婦となり皆の結束はより固まり、
今がその時!と有志を集いエルドラルはあの地図の場所へ・・

・・すると不思議な事に、あの壁画が強い光を放ちながら歪みだし、
先へ進む空間が現れました・・・
勇気を振り絞りエルドラルの精鋭達は先に進みます
すると見えてきたものは・・・
理想郷・・・ではなく・・・・・

なんと・・・魔と悪が共存する世界・・・・・・
暗黒の地獄であった・・
皆が驚愕していると・・・
仲間の中のひとりのインプが口を開いた・・
クラウン: クックック・・・・ようやく帰ってこれた・・
私は還ってきたのだ!
天道: く・・クラウン?どうしたんじゃ?
クラウン: お前と知りあえて幸運だった・・
・・とでも言おうか
おお・・・・
かっ体に力が・・力が蘇ってきたわ!!!
天道: な・・何を言っておるのだ?

するとみるみるうちに・・クラウンの姿がかわり・・
クラウン: じゃあ教えてやろう・・
私は 「 魔王クラウン 」 ・・
全世界の王じゃ・・・ククク・・
エルドラドを侵略し・・暗黒世界を作ったはいいが・・

あの忌まわしき女神のせいで・・あの低級魔族の姿へ・・
天道: クラウン・・お主・・・最初からわしを・・???
クラウン: ああ、そうだよwwww
お前の話を聞き・・これはまさかと思ってな・・ククク
し か し
残念ながらもうお前達は用済みだ・・・
死ねいっ!!!!!
ほへも: ・・・身の内に宿る幻獣達よ!!

私達を守りなさいっ!!

ギャオオオオオン!!
サア!ミナサマ・・オニゲクダサイ!!

りをか: こっちよ!!・・・みんな早くっ!!
クラウン: 逃がすかあああああ!!
一同は・・クラウンの追撃を振り切り
エルドラドからエリンに命からがら逃げた・・・・・・・

天道: クラウン・・・・拙者は・・拙者は・・・
ほへも: 天道・・・・。

りをか: もうっ!ほーら、なーにめそめそしてるのさっ!
仲間と命は取られたわけじゃないよっ!!

逆に私は闘志が湧いたねっ♪
天道: そっ・・そうじゃな・・
悔いてたら前には進めん!
一同: おおー!!そうだ!そうだ!
すると、・・・全員の頭の中に声が聞こえてきた・・

女神: 聞こえますか・・・・
一同: ・・・!?
女神: 私は女神です・・・
クラウンは私が封印した邪悪の塊のような物・・・
しかし・・魔力を隠し・・中に紛れてるとは・・・
私にも気が付きませんでした・・・
そして・・・
エルドラドにクラウンが戻った今、
魔族の力は強大になり、
あなた達のエリンにも侵攻してくることでしょう・・
しかし・・
今のままの力では、到底勝ち目はありません・・
その時が来るまで・・力を蓄えなさい・・・
その時が来るまで・・・
一同: ・・・・・・・・。
りをか: ・・・女神・・って本当にいたんだ・・。
ほへも: ・・そっ・・そのようですね。
天道: ・・・よぉし!
皆の者!よく聞いてくれ!
後の大戦のために力を蓄えよ!
一人でも多くの優秀な人材を集めるのじゃ!
そして、こっちの言葉ではリベンジじゃ・・な!
一同: おおー!!!
そして確固たる目標ができたエルドラルはアジトを作り
どんどん大きい集団になり
そして・・・
ほへもと平八郎に子が生まれました・・
1人目は元の世界から名前をとり 「和(なごみ)」
2人目は「エリンに生まれる」から 「エル」 と名づけました。
しかし・・・・
和 は齢3つの頃、原因不明の病に冒され・・
エルドラルにいる名医もさじを投げる程でした・・
そんな中、平八郎 はイリアでの
どんな病でも治す心霊治療の噂を聞き、
ほへもに・・・

天道: 必ず戻るから後は頼む・・
っと、約束をし 和 と2人でイリアへ・・
探しに探した末、その霊媒師に会う事ができた・・・
霊媒師: そろそろ来る頃だと思っていました・・
しかし・・
これは病ではなく邪悪な呪いだと聞かされる・・
実はエルドラドに入った時 ほへも は 和 を身ごもっていた・・
その時に、邪悪なクラウンの気を先頭で受けたほへもは
お腹の中の 和 に呪いを受けていたのであった・・
そして霊媒師はこう言った
呪いを払う方法はあるが、
その秘術は壮絶を極め、
和 と 平八郎 と 術者 の体を使い、
どの身体も助かる可能性は極めて低い・・と
霊媒師 は覚悟は出来ていて、天道 の心構えを確認した・・
天道: 拙者はどうなってもいい!!・・この子が助かるなら・・・・
お願いじゃ・・この子を・・・この子を救ってくれっ!!
そして儀式は始まった・・・
霊媒師: ガランダラアガ・・・ムサボルアス・・ダデン・・・・来ますっ!
和: ぐあああああ・・・
ち・・父上ええええ・・母上ええええ!!!
天道: ぐああああああああ!!
なごみいいいいいぃぃぃぃぃ!!!
霊媒師: うぐう・・・アモンダラト・・グランラプー・・ぅぅ・・
オグバルスッ!!

ぐあああああああああ
あああああああ
ああああああああ!!
儀式は終わった・・・・・・・・
一人の生命だけ残して・・・
その幼い生命は何百年もの時を経て・・
幻十郎 へと引き継がれる事となる・・・。
後編へ続く・・・